相続の場合の生命保険金の取扱い

生命保険金は、被保険者の死亡により受取人に支払われます。
生命保険金は受取人が誰であるかにより取扱いが異なります。
つまり、受取人を誰にするかで、生命保険金が遺産になるか否かが変わってくるのです。
まず、受取人が被保険者である場合には、被保険者の死亡により相続人がその地位を承継するので、遺産となります。
その一方で、受取人が特定の者である場合には、その者が保険契約に基づいて固有の権利として取得することになるので遺産とはなりません。
ただし、あまりに多額の場合には別途考慮が必要になります。
すなわち、受取人とそれ以外の者との間に生ずる不公平があまりにも著しいときは、特別受益に準じて持ち戻しの対象とされることがあります。
なお、受取人である特定の者が被保険者の死亡前にすでに亡くなった場合には、保険契約者は受取人を変更することが出来ます。
契約者が変更しないまま死亡した場合には、受取人の法定相続人が受取人となります。

金融機関における相続手続

相続時に発生した葬儀費用やこれまでの入院代といった費用を支払うために、亡くなった人の口座から貯金を引き出すことはできません。
金融機関は相続が発生したことを知ると口座を凍結するからです。
遺族が凍結された口座を解除するためには、一定の手続を踏む必要があります。
凍結された口座を解除するには、金融機関所定の用紙に署名・捺印すれば良いだけではありません。
そのほか、亡くなった人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、実印、印鑑証明書といった書類等が必要になります。
なお、遺言書がある場合には遺言書も必要になります。
亡くなった人の戸籍謄本は、出生から死亡までの連続したものでなければなりません。
また、実印や印鑑証明書まで必要とするのは、その者の真意を確かめるためです。
相続人全員の戸籍謄本等を必要としているので、全国に点在している場合や、実印や印鑑証明書の提出を渋っている人がいる場合には、口座解除まで時間がかかることになります。

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2016/12/16 更新

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